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zoom RSS 仕事に役立つ要件事実・第3回(虚偽表示-3)

<<   作成日時 : 2010/06/06 15:47   >>

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本シリーズでは「仕事に役立つ要件事実」と題し、

法務関連のお仕事をされている方、あるいは各種法律関連の資格試験の勉強をされている方々に有益と思われる、要件事実論の基礎について説明していきます。

バックナンバーはこちら↓
第1回・虚偽表示-1 
第2回・虚偽表示-2 


今回も、第2回目に引き続き、虚偽表示が問題となるケースを考えてみます。


【事例】

1.Xが土地を所有している。
2.X(売主)・A(買主)間で土地を売買。
3.2.に基づきXからAへ所有権移転登記。
4.A(売主)・Y(買主)間で土地を売買。
5.Yがその土地を占有。
6.XがYに対し、所有権に基づく土地明渡請求。


【訴訟物(Stg)】(←処分権主義)

XのYに対する、所有権に基づく(物権的返還請求権としての)土地明渡請求権。


(解説)

・一般的に、原告(または、請求をする側)をXと表記し、被告(または、請求される側)をYと表記します。本ブログにおいても、同様とします。
・不動産の場合には「明渡」という言葉を使い、動産の場合には「引渡」という言葉を使います。
・事例を把握したら、まず最初に「訴訟物」を確定しましょう。「請求」という言葉を見つけると、「訴訟物」を確定しやすいです。なぜなら、「訴訟物」とはつまり、「請求を基礎づけるために主張する(民法等の)実体法上の請求権」を意味するからです。
・なお、「主張」という言葉から、次にご紹介する「請求原因事実」および「抗弁事実」を確定していくことが出来ます。


【請求原因(Kg)】(←弁論主義、Xに主張立証責任)

1.Xは、(平成〇年〇月〇日当時、別紙物件目録記載の)本件土地を所有していた。(Xもと所有)
2.Yは、本件土地を占有している。(Y現占有)


(解説)

・請求原因とは、訴訟物である権利または法律関係を発生させるための必要最小限の事実のことをいいます。
・本来、Xがもともと土地の所有権を有していたというためには、所有権取得原因となる具体的事実をX自身が主張立証しなければならないようにも思えますが、本件のような場合にはYは1.については争わないと考えるのが通常です。よって、1.については「権利自白」が成立しますので、Xによる具体的な主張立証は不要です。


【Kgに対するYの認否】

1.認める。(Xの立証は不要)
2.認める。(Xの立証は不要)


【抗弁(E1)】(←弁論主義、Yに主張立証責任)

(所有権喪失の抗弁)
XはAに対し、(平成〇年〇月〇日に、別紙物件目録記載の)本件土地を(代金〇〇円で)売った。(XA間売買契約締結)


(解説)

・物権的請求権である以上、もしXに所有権がなければ、Yの占有権限の有無に関係なく、Xの請求は棄却されることになります。
・そこでYとしては、XA間売買によりXの所有権が喪失したと主張するわけです。


【E1に対するXの認否】

認める。(Yの立証は不要)


(解説)

・XA間の売買について、Xは虚偽表示であると主張したがっているとしましょう。
・すると、XA間売買についてXは否認するようにも思われます。
・しかしここは、たとえ虚偽表示であるとしても、「表示主義」の観点から、とりあえずXA間の売買契約締結の事実は認める、というように考えます。


【再抗弁(R1)】(←弁論主義、再びXに主張立証責任)

(虚偽表示の再抗弁)
E1の売買は虚偽表示に基づいて行われた。(XとAは、本件売買契約を締結する際、いずれも契約の合意をする意思がないのに、その意思があるかのように仮装することに合意した。)


【R1に対するYの認否】

否認。(あるいは不知)(Xが虚偽表示の事実を立証しなければならない。)


【再々抗弁(D1)】(←弁論主義、再びYに主張立証責任)

(善意の第三者の再々抗弁)
1.AはYに対し、(平成〇年〇月〇日に、別紙物件目録記載の)本件土地を(代金〇〇円で)売った。(AY間売買契約締結)
2.Yは1.の際、R1(虚偽表示)の事実を知らなかった。


【D1に対するXの認否】

1.否認。(あるいは不知)(Yが、売買契約締結の事実を立証しなければならない。)
2.否認。(あるいは不知)(Yが、自らが善意の第三者であったとする事実を立証しなければならない。)


(解説)

・判例によると、無過失であることまでの立証は不要とされています。

都立大学法務会計事務所


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